ガソリン税はなぜ撤廃できないの?ガソリンスタンドがわかりやすく解説!
「またガソリン代が上がってる…」
給油時にそう思われた方も多いのではないでしょうか?
実は、ガソリンの価格のうち**約4割は“税金”**が占めているんです。
「税金がこんなにかかってるなら、撤廃してくれてもいいのでは?」と感じるのは当然ですが、現実はそう簡単ではありません。
今回は、現役ガソリンスタンドの視点から、なぜガソリン税が撤廃できないのかをわかりやすく解説します!
🧾 ガソリン税ってどんな仕組み?
現在のガソリン1リットルあたりには、以下のような税金が含まれています。
揮発油税:48.6円
地方揮発油税:5.2円
石油石炭税:2.8円
消費税(10%):本体価格+上記税金の合計に対して課税(=税金にも消費税がかかる)
つまり、「税金に対しても消費税がかかっている」=二重課税の構造になっており、不満の声が上がるのも無理はありません。
また、本来の税金は1リットルあたり28.7円ですが、これに1リットルあたり25.1円の税金が上乗せされ、合計(揮発油税+地方揮発油税)で53.8円となっています。この上乗せされた税金を「暫定税率」と呼びます。
🛣️ 暫定税率はまだ続いている?
そもそも「暫定税率」は、1974年に道路整備のために**“一時的”に導入された税金**です。
ところが、その後も廃止されることなく、現在まで約50年も維持されたまま。今や「暫定」ではなく、**事実上の“恒久税”**となっています。
🎥税と国民負担についてわかりやすく解説された動画を見つけましたのでぜひ!
🧩 ガソリン税が撤廃できない4つの理由
❶ 国や地方の財政を支える重要な収入源
ガソリン税の年間税収は約2兆円以上。このうち国・地方ともに、道路の整備・維持・災害復旧費用などに使われています。
仮に撤廃すれば、「誰がその費用を出すのか?」という大きな問題が生まれます。
❷ 急な撤廃は現場が混乱
私たちのようなガソリンスタンドや元売り業者にとっても、
「税率の変動」は仕入れ価格・販売価格・在庫調整・請求処理などに大きく影響します。
制度変更が急に起これば、赤字リスクや損失が出るおそれもあるため、慎重な対応が必要なのです。
❸ 二重課税の問題が政治的に扱いにくい
ガソリン税の上にさらに消費税がかかる「二重課税」の問題は、たびたび国会でも取り上げられています。
しかし、**「代替の財源をどうするのか?」**という議論になると、なかなか進まないのが現状です。
❹ 選挙や政策に左右されやすい問題
たとえば「ガソリン税の凍結」や「トリガー条項の発動」などの制度は、選挙前の政治的パフォーマンスとして語られることもあります。
そのため、「本当に実現するのか」「選挙が終わったら立ち消えなのか」といった信頼の問題もあるのです。
🔍 ガソリン税はこの先どうなる?
政府は今後、電気自動車(EV)やハイブリッド車の普及にあわせて、
「走行距離課税」などの新しい仕組みを検討しているとされています。
ただし、新制度が定着するには時間がかかり、当面は現行のガソリン税制度が続く見込みです。
📣 最後に
ガソリン税の問題は、私たちの暮らしや移動に直結する重要なテーマです。
今後の制度見直しや政策変更に注目しながら、日々の節約・賢いカーライフに取り組んでいきましょう!